ジブリ音楽のピアノ演奏用楽譜について
ジブリの音楽の楽譜は非常に多くの出版社から出版されています。
楽譜ごとにコンセプトがあり、それに準じて曲が選ばれ、アレンジがされていますが、
大きく分けると以下の様になります。
- 久石譲のオリジナルエディション楽譜に収録されている
- 映画のサウンドトラックに準じたもの(1つの作品の曲を抜粋したもの)
- ジブリ音楽を(作品を横断的に)1冊にまとめたもの
- 企画物、もしくは企画CDに準拠したもの
(ピアノ以外の楽器用楽譜については、3がほとんどです)
それぞれの特徴、長所短所をまとめてみました
1 久石譲のオリジナルエディション楽譜に収録されている
特徴
そもそも久石譲のオリジナルエディションとは何でしょうか?
それは、作曲家・久石譲公認の楽譜という意味になります。
つまり、
久石譲の意図が適切に組み込まれた楽譜
ということになります
楽譜の最後の監修欄に、「久石譲」もしくは「ワンダーシティ」(久石譲のマネジメント会社)と書いてあるのがその証です。
長所
久石譲の意図が適切に入っているため、和音やコード、メロディの声部分けなどが作曲家の意図そのままに書かれている
短所
今のところ(2016年8月現在)ジブリ映画の作品別の楽譜が出版されてなく、一部のソロアルバムに準拠した形になるため、楽譜がほしい曲が楽譜になっていないケースがある。
※オリジナルエディションの出版は全音楽譜出版社が行っています(オーケストラスコアはショットミュージック社が行っています)
2 映画のサウンドトラックに準じたもの(1つの作品の曲を抜粋したもの)
特徴
例えば「ラピュタの楽譜がほしい!」と思った時、真っ先に手にとるのは
楽譜のタイトルに「天空の城ラピュタ」が入った楽譜でしょう。
そんな人のために発売されているのが2です。
楽譜のタイトルに作品名が入り、サウンドトラック(やイメージアルバム)に準拠した形で
一部、あるいは全ての曲が1冊の楽譜に収録されています。
長所
映画で使用されている曲がそのまま楽譜になっている
短所
楽譜のクオリティが出版社・編曲者によってばらつきがある
※イメージアルバム、サウンドトラックの全曲を網羅した楽譜を出版しているのはKMP社です。
(昔は東京音楽書院が行っていましたが、廃業となったため現在はKMP社が中身を引き継いで出版しています)
3 ジブリ音楽を(作品を横断的に)1冊にまとめたもの
特徴
楽譜売り場に行くと多く目にするのはこのパターンではないでしょうか。
「スタジオジブリ名曲集」や、「◯◯で弾くスタジオジブリ」などなど。
演奏難易度や演奏形態など、各楽譜ごとにテーマがあって、
そのテーマに従って曲が選ばれ、アレンジがされています。
長所
有名曲が抜粋されているケースが多く、一冊買うとある程度のレパートリーを網羅できる
短所
2と同様、楽譜のクオリティが出版社・編曲者によってばらつきがある
4 企画物、もしくは企画CDに準拠したもの
特徴
ジブリの曲を、ジャズ風に弾きたい、あるいはクラシカルに弾きたい、演奏会で弾き映えのするアレンジで弾きたい。
そういう要望に応えるために出版されているのが、そういうテーマでアレンジがされている企画物楽譜です。
長所
楽譜テーマが自分のほしいものであった場合、かゆいところに見事に手が届いている
短所
サウンドトラックとは違う角度でアレンジされているため、原曲に忠実に弾きたい人には向かない
一言で楽譜と言っても、様々な種類の楽譜がでています。
手にした楽譜が1〜4のどれに当てはまるのか、それが自分が欲しいものなのかを考えて、
「必ず立ち読みをして、内容を確認した上で」
購入することをオススメします。
では素敵な演奏ライフを!