ジブリ長編映画作品別音楽解説 となりのトトロ

１９８８年公開　宮﨑駿監督作品

作品概要

このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。

「そりゃスゴイ、お化け屋敷に住むのが父さんの夢だったんだ」と、
こんなことを言うお父さんの娘が、小学六年生のサツキと四歳のメイ。
このふたりが、大きな袋にどんぐりをいっぱいつめた、
たぬきのようでフクロウのようで、クマのような、へんないきものに会います。
ちょっと昔の森の中には、こんなへんないきものが、どうもいたらしいのです。
でもよおく探せば、まだきっといる。
見つからないのは、いないと思いこんでいるから。

（ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン作品紹介より）

アルバムリスト

徳間ジャパンのSTUDIO GHIBLI RECORDSより現在発売されている関連アルバムリストです

イメージソング集

となりのトトロ　イメージ・ソング集

となりのトトロ イメージ・ソング集

サウンドトラック

となりのトトロ　サウンドトラック集

となりのトトロ サウンドトラック集

サウンドブック

となりのトトロ　サウンドブック

となりのトトロ サウンドブック

ハイテックシリーズ

となりのトトロ　ハイテックシリーズ

となりのトトロ ハイテックシリーズ

オーケストラ（語り付）

オーケストラストーリーズ となりのトトロ

（イメージアルバムとサウンドトラックの違いはこちら）

joelover.hateblo.jp

ソロアルバム収録バージョンについて

サウンドトラックと違い、劇中の尺にとらわれずに、その曲がもつ音楽本来の魅力が最大限引き出されているのがソロアルバム収録バージョンの大きな魅力です。
サウンドトラックでは尺の都合で泣く泣くカットされたフレーズやバラバラに分割された曲も、１つの楽曲として完成された形で聴くことができます。
ソロアルバムのコンセプトにより、オーケストラであったりピアノソロであったり、室内楽アンサンブルであったり、あるいは洋楽ポップス風であったり、その演奏形態はさまざまですが、久石さんのインスピレーションによって制作された楽曲本来の魅力を存分に味わうことができます。

以下トトロの音楽が収録されているソロアルバムです

ソロアルバム

Piano Stories 

Piano Stories

5曲目　The Wind Forest

『風のとおり道』のピアノソロバージョン。
久石譲自身がトトロの裏テーマと呼ぶ名曲を、シンプルかつ過不足なくピアノソロにアレンジした。
印象的な主題が繰り返し演奏され、その旋律を存分に味わうことができる。

オリジナル・エディション楽譜情報はこちら

Piano Stories Best’88-’08 

Piano Stories Best’88-’08

 9曲目　The Wind Forest

過去のPiano Storiesシリーズから久石譲のセレクトによるベスト盤。
「Piano Stories」と同内容のため解説を省略。

Melodyphony

Melodyphony~Best of Joe Hisaishi~

9曲目　My Neighbour TOTORO

『となりのトトロ』オーケストラバージョン。
演奏はロンドン交響楽団。ピアノソロを久石譲自身が演奏し、あのアビー・ロード・スタジオで録音された久石譲こだわりの名盤である。
「オーケストラストーリーズとなりのトトロ」のアレンジをベースに、さらにオーケストレーションを拡大している。
楽曲全体のスケール感がアップするのと同時にメリハリがより強調されているのは、スコアの改訂だけでなく、久石譲自身による指揮の影響も大きいだろう。そして演奏はまさに世界超級の迫力。それが余すことなく収録されている。
久石譲の音楽の舞台が日本に留まらず世界であることを改めて認識させられ、そしてその音楽を日本人として感じられることに喜びを感じる。

Ghibli Best Stories

ジブリ・ベストストーリーズ

 4曲目　The Wind Forest

久石譲の過去のソロアルバムからジブリ楽曲を抜粋したアルバム。
「Piano Stories」と同内容の為解説を省略。

The Best of Cinema Music

THE BEST OF CINEMA MUSIC

 13曲目　My Neighbour TOTORO

『となりのトトロ』オーケストラバージョン。
2011年に行われたコンサートのライブ盤。
ニューシティ管弦楽団と、特別編成の混声合唱、東京少年少女合唱隊による共演。
「久石譲in武道館」と同様、混声合唱が入っているが、その後のパリ公演、北京公演を見据えて歌詞が英語に変更されている。

コンサートDVD,Blu-ray

a Wish to the Moon 

A WISH TO THE MOON JOE HISAISHI&9 CELLOS 2003 ETUDE&ENCORE TOUR [DVD]

 4曲目　風のとおり道

チェロとピアノによるデュオバージョン。
コンサートではお馴染みのピアノ＋ソロ楽器による『風のとおり道』であるが、
久石譲が戦友と呼ぶ近藤浩志のチェロはまさに魂の歌声で旋律を奏でる。
二人のまさに阿吽の呼吸と呼べる演奏は、必聴である。

20曲目　ToToRo
チェロアンサンブル＋ピアノによる『となりのトトロ』。
映画「Quartet」で劇中演奏された『Melody Road』と同様のトトロの主題による短いイントロから始まり、
チェロアンサンブルによって奏でられるトトロのメロディーは、聴くものの心を一気に鷲掴みにする。
中盤以降「オーケストラストーリーズとなりのトトロ」と同様、ヘ長調→ト長調とテンポを緩めつつ転調、
久石譲のピアノによってトトロの主題が奏でられ、そのメロディーに心を奪われていると、突如テンポが戻り、
ト長調→ニ長調への転調を交えエンディングまで一気に駆け抜けていく。
オーケストラで奏でられていた劇的な展開を、チェロアンサンブルという制約の中で見事にアレンジしきったアレンジャー久石譲の手腕が光る1曲だ。
DVDでは演奏前に奏者と一緒に笑顔を作る久石譲の仕草にも注目してもらいたい。

 

久石譲 in 武道館 

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [Blu-ray]

21曲目　風のとおり道

22曲目　さんぽ

23曲目　となりのトトロ

2008年に日本武道館で行われたコンサートの模様が収められたコンサートDVD。
久石譲の手がけた宮崎アニメが次々と演奏されていく中、コンサート本編ラストに演奏された「となりのトトロ」。
打楽器と鍵盤楽器によって演奏された幻想的な『風のとおり道』をイントロ代わりに、
出演者全員（マーチングバンド隊を除く）による『さんぽ』が演奏される。
通常は　『木管楽器→金管楽器→弦楽器→打楽器→オーケストラ全体』　の順番でオーケストラの楽器紹介を兼ねてメロディーが受け渡しされていく構成で演奏されるが、
今回は　『木管楽器＋一般公募混声コーラス→金管楽器＋栗友会混声合唱団→弦楽器＋少年少女合唱団→打楽器＋ゲスト・ミュージシャン→サックスアンサンブル→オーケストラ＋合唱』 と、変則的ながらも有機的に、そして劇的にアレンジされたバージョンを聴くことができる。
そして宮﨑駿とジョン・ラセターが楽しげに『さんぽ』を歌うVTRを経て、『となりのトトロ』が満を持して演奏される。
「オーケストラストーリーズとなりのトトロ」をベースに、合唱を加え、オーケストレーションの拡大が行われ、もはや別アレンジと呼んでも過言ではないクオリティに楽曲の質を引き上げている。
同時に1000人によって奏でられる『となりのトトロ』を、全身で終末へと導いていく久石譲の姿は、音楽に対する、そして宮﨑駿に対する感謝も同時に感じることができるのは私だけではないだろう。

楽譜について

久石譲の楽譜は数多く出版されていますが、ピアノの楽譜で久石譲公認印が入ったオリジナルエディションは、全音楽譜出版社からのみ出版されています。

また、その他出版社からも優れたピアノソロアレンジされた楽譜が出版されています。

オリジナル・エディションについて詳しくはこちら

joelover.hateblo.jp

全音楽譜出版社

Piano Stories　（The Wind Forest　収録） 

久石譲 ピアノストーリーズ オリジナルエディション

Piano Stories Best’88-’08　（The Wind Forest　収録） 

久石譲 ピアノストーリーズベスト ’88-’08 <オリジナルエディション>

Ghibli Best Stories　（The Wind Forest　収録） 

久石譲 ジブリ・ベスト ストーリーズ〈オリジナル・エディション〉

ショットミュージック

Melodyphony　（My Neighbor TOTORO　収録） 

久石譲 メロディフォニー〈Melodyphony〉オーケストラ・スコア(合唱含む)