読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【ジブリファン必見】久石譲を語り尽くすブログ

久石ファンの主がジブリ音楽の魅力を紹介したいブログ

となりのトトロの裏テーマと呼ばれる曲『風のとおり道』の話

となりのトトロ ソロアルバム 楽譜 豆知識

となりのトトロのテーマ曲といえば?

皆さんご存知「トットロ、トットーロー♪」ですね。
では、裏テーマ曲と呼ばれる曲があるのをご存知でしょうか?

となりのトトロの作曲家、久石譲が「『トトロ』の裏テーマ」と呼ぶその曲、
名曲『風のとおり道』について、少しエピソードを交えて紹介します。

※よく『風の通り道』と表記されているのを目にしますが、ここでは原曲の表記に従って『風のとおり道』で統一します。

 

『風のとおり道』がトトロで流れるまで

トトロの音楽を作るにあたって、トトロの世界観を久石譲は次のように捉えています。少し長いですが、引用します。

となりのトトロ』は、けっしてドラマチックな映画ではない。たしかに、不思議な生き物トトロや、空を走るネコのばすいといったキャラクターは、この作品のイマジネーションを豊かにしている。
しかし、それは、自転車を三人乗りする男の子とか、小学校の授業風景とか、田舎生活のディテールの非常にリアリスティックな描写との隣合わせなのだ。そうしたリアリスティックな次元から、トトロもネコのバスも捉えられているのだ。けっして、ディズニー映画のようなファンタジーになっていない。ごく日常的な出来事の積み重ねと、その底辺に流れるヒューマンな優しさから、『となりのトトロ』の世界は生まれてくるのだ。
(「I am -遙かなる音楽の道へ-」 / 久石譲 1992年)67,68pより引用


音楽はファンタジー路線でなく、もっと現実世界に寄り添ったものになった。
この方針が、後に『風のとおり道』をトトロに採用することを後押しします。

もともと『風のとおり道』はトトロよりも前に書かれた曲でした。そして、それは久石譲にとってとても大事な曲だったという。
トトロのラッシュを見た久石譲
「ああ、この曲は、ここで使うために生まれてきたんだ」
と思った曲が、トトロとは無関係に作られて久石譲が大事に温めていた『風のとおり道』。
そのエスニックな感じが、不思議とトトロの世界観に非常にマッチしていて、そして今でも多くの人に愛されています。
もちろん久石譲自身もコンサートの定番曲として演奏していることから、かなり気に入っていることが伺えます。

 

『風のとおり道』はコンサートの定番曲になった

原曲はシンセサイザー(当時使用されていたフェアライトによる音色と思われる)によるものです。
非常に多くの音色が詰め込まれていますが、メロディーが引き立ち透明感がある独特な世界観を作り出しています。

1988年に発売された久石譲自身のピアノ演奏によるピアノソロアルバム「Piano Stories」にピアノソロバージョンが収録されています。(曲名は『The Wind Forest』となっている)
同名のオリジナル・エディション楽譜も出版されているので、演奏されたことのある方も多いのではないでしょうか?


その後のコンサートでの演奏では、主に以下の2形態で演奏されています。

  • デュオ(ピアノ+ソロ楽器)
  • オーケストラ

デュオ形態

まずはデュオについて。

映像で確認できる一番古い演奏は2000年のコンサートだと思いますが、
コンサートでピアノ+クラリネットというデュオ形態で演奏されています。(クラリネット野田祐介
(この時には曲中にトトロのテーマを挟む遊び心あるアレンジになっている)

その後のアンサンブルコンサートでも、デュオ形態で度々演奏されています。

DVDにもなった2003年のコンサートでは、ピアノ+チェロのデュオで演奏されました。(チェロ:近藤浩志)
また、2006年のコンサートで、ピアノ+バイオリンのデュオで演奏された映像はYouTubeを始め動画サイトで爆発的人気を得ています。(バイオリン:アレクサンダー・バラネスク)
ネットで中継された2012年気仙沼で行われた震災復興のコンサートでは、ピアノ+チェロのデュオで演奏されました。(チェロ:向井航)

曲の最終盤で、ピアノがメインメロディを演奏しながら、ソロ楽器がカデンツァと呼べるサブメロディを演奏するところは、ソロ楽器の魅力が存分にアピールされる名アレンジと言えます。
オリジナル・エディションの楽譜はありませんが、こちらで同アレンジが販売されています。

風のとおり道 (Pf+Vn) -楽譜データ-
http://www.dojinongaku.com/contents/goods_detail.php?goid=8404

オーケストラ

「オーケストラストーリーズとなりのトトロの中では、全8曲中、中盤の核となる曲として演奏されています。
原曲のもつミニマル・ミュージックの応用と思われる短い伴奏音型の繰り返しが細かく散りばめられている一方、ピアノソロやバイオリンとのデュオの部分を効果的に組み込んでいたり、緩急をつけたアレンジは、オーケストラ全体を細部までこだわってアレンジされているのが聴いていてよくわかります。
「オーケストラストーリーズとなりのトトロ」はCDになって発売されています。

久石譲in武道館」で演奏された打楽器と鍵盤楽器のみで構成されたバージョンにも注目したいところ。
このコンサートでのみ聴けるバージョンです。
ピアノ、チェレスタ、ハープ、グロッケンなどによる印象的なアレンジとなっています。
ワンコーラスだけの演奏でしたが、コンサート全体の構成としては、次曲『さんぽ』へのイントロとして非常に効果的だと言えるでしょう。

 

 


このように、様々な形態で私達の耳を楽しませてくれる『風のとおり道』。
今一度、耳を傾けてみてはいかがでしょうか?

 

 

2003年のコンサート。ピアノ+チェロのデュオバージョン収録
A WISH TO THE MOON JOE HISAISHI&9 CELLOS 2003 ETUDE&ENCORE TOUR [DVD]

A WISH TO THE MOON JOE HISAISHI&9 CELLOS 2003 ETUDE&ENCORE TOUR [DVD]

 

 

 

 

 2008年のコンサート。打楽器と鍵盤楽器によるバージョン収録。
久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]

 

  

 

 

2002年発売。オーケストラバージョン収録。

 

上記CDのオリジナル・エディション(久石譲公式監修)オーケストラスコア。 

オーケストラストーリーズ となりのトトロ(オリジナルエディション)/久石譲

オーケストラストーリーズ となりのトトロ(オリジナルエディション)/久石譲

 

 ※「オーケストラストーリーズとなりのトトロ」のオーケストラスコアは、CD録音に使用された楽譜を、収録後に大幅に加筆修正して出版されています。