ジブリ長編映画作品別音楽解説 天空の城ラピュタ

１９８６年公開　宮﨑駿監督作品

作品概要

ある日、少女が
空から降ってきた…

「ガリバー旅行記」の中で伝えられた空中の浮島ラピュタ帝国
そこに秘められた謎の飛行石をめぐってくり広げられる波瀾万丈の冒険活劇！
主人公は見習い機械工の少年パズーと帝国の血をひく少女シータ
機械がまだ機械のたのしさを持っていた時代
科学が必ずしも人を不幸にするとは決まっていないころ
そこではまだ世界の主人公は人間だった…
（ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン作品紹介より）

アルバムリスト

徳間ジャパンのSTUDIO GHIBLI RECORDSより現在発売されている関連アルバムリストです

イメージアルバム

天空の城ラピュタ イメージアルバム 空から降ってきた少女

天空の城ラピュタ イメージアルバム 空から降ってきた少女

サウンドトラック

天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎

天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎

シンフォニー

天空の城ラピュタ シンフォニー 大樹

天空の城ラピュタ シンフォニー 大樹

ハイテックシリーズ

天空の城ラピュタ ハイテックシリーズ

天空の城ラピュタ ハイテックシリーズ

USAバージョン　サウンドトラック

Castle in the Sky ~天空の城ラピュタ USAヴァージョン・サウンドトラック~

Castle in the Sky ~天空の城ラピュタ USAヴァージョン・サウンドトラック~

（イメージアルバムとサウンドトラックの違いはこちら）

joelover.hateblo.jp

ソロアルバム収録バージョンについて

サウンドトラックと違い、劇中の尺にとらわれずに、その曲がもつ音楽本来の魅力が最大限引き出されているのがソロアルバム収録バージョンの大きな魅力です。
サウンドトラックでは尺の都合で泣く泣くカットされたフレーズやバラバラに分割された曲も、１つの楽曲として完成された形で聴くことができます。
ソロアルバムのコンセプトにより、オーケストラであったりピアノソロであったり、室内楽アンサンブルであったり、あるいは洋楽ポップス風であったり、その演奏形態はさまざまですが、久石さんのインスピレーションによって制作された楽曲本来の魅力を存分に味わうことができます。

以下ラピュタの音楽が収録されているソロアルバムです

ソロアルバム

Piano Stories

Piano Stories

9曲目　Innocent

『空から降ってきた少女』のピアノソロバージョン。
非常にシンプルながら、その一度聴いたら忘れないメロディを際立たせるアレンジとなっている。演奏難易度としては比較的やさしめだが、ラピュタの音楽のエッセンスはこの1曲に凝縮されている。
オリジナルエディション楽譜情報はこちら

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Symphonic Best Selection 

Symphonic Best Selection(CCCD)

13曲目　天空の城ラピュタ

『ハトと少年〜空から降ってきた少女』のオーケストラによるメドレー。
管弦楽は新日本フィルハーモニー交響楽団。指揮は金洪才。コンサートマスターは豊嶋泰嗣。
新日本フィルハーモニー交響楽団とは、久石譲のコンサートでの定期的な共演、
千と千尋の神隠しのサウンドトラック録音などを経て
2004年から新日本フィルワールドドリームオーケストラとして共にプロジェクトをスタートさせることとなるが、
その貴重な初期の共演の記録的演奏である。
新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラとしての初アルバムは「World Dreams」であるが、そのCDにもトランペットソロをフィーチャーして再アレンジが加えられた『天空の城ラピュタ』が収録されている。
初共演でも演奏され、新プロジェクトの初CDでも演奏されていることを考えると非常に興味深い。

World Dreams 

World Dreams

2曲目　天空の城ラピュタ

『ハトと少年〜空から降ってきた少女』のメドレーであるが、トランペットソロ（演奏：ティム・モリソン）をフィーチャーし、以前のバージョンとは全く違うポップスオーケストラの為のアレンジとなっている。
冒頭弦楽器のリズミカルな伴奏から始まり、続いてトランペットソロがあのハトと少年のメロディを（パズーの如く）朗々と吹き上げる。その後木管楽器、金管楽器とトランペットの掛け合いとなり、楽曲はオーケストラ全体を巻き込みつつ展開していく。一旦終息の後、ハープによって『空から降ってきた少女』の冒頭の印象的なアルペジョが演奏され（原曲はハ短調だが、このバージョンではイ短調）楽曲が次のフェーズへと移って行ったことがわかる。『空から降ってきた少女』特有の木管楽器による合奏を経て、あの『君をのせて』のメロディがトランペットソロによって満を持して登場する（弦楽器の伴奏の細かい動きにも注目したい）。その後オーケストラ全体に主役が移り、楽曲は1つの頂点を迎える。突如としてタンバリンにより楽曲冒頭の『ハトと少年』で使用された印象的なリズムが奏でられたかと思うと、そのリズムに乗せてトランペットソロによる『君をのせて』のメロディの変奏が力強く演奏される。オーケストラ全体との掛け合いの後、リズムをそのままに『ハトと少年』のモチーフが演奏され楽曲全体が有機的に結合されていることがわかる。その後すぐに転調（イ長調→ハ長調→ト長調）を迎え、楽曲はいよいよ終末部へと展開していく。チェロにより『君をのせて』のメロディ（ここで原曲と同様にハ短調へと戻る）が奏でられ、トランペットソロがサブメロディに役割を移したかと思うと、オーケストラのユニゾンによる楽曲の最頂点を迎える。『君をのせて』のメロディをトランペット、バイオリンが力強く奏で、木管楽器による装飾、ホルンによるサブメロディなど全ての要素が登場するワンフレーズを経て、トランペットソロが名残を惜しむかのように最後に『君をのせて』のワンフレーズを演奏し、楽曲は静かにフィナーレへと到達する。

Piano Stories Best’88-’08

Piano Stories Best’88-’08

6曲目　Innocent　

過去のPiano Storiesシリーズから久石譲のセレクトによるベスト盤。
「Piano Stories」と同内容のため解説を省略。

Ghibli Best Stories

ジブリ・ベストストーリーズ

 3曲目　Confessions in the Moonlight

USAバージョンサウンドトラックの15曲目と同内容。
原曲はサウンドトラック11曲目『月光の雲海』。
パズーとシータがタイガーモス号で見張りをするシーンの音楽で、『君をのせて』のメロディがピアノで優しく演奏される。

コンサートDVD,Blu-ray

W.D.O.

W.D.O. [DVD]

3曲目　天空の城ラピュタ

CD「World Dreams」と同アレンジのライブ版。トランペットソロはCDと同じティム・モリソン氏。力強いトランペットとオーケストラの掛け合い、久石譲の熱の入った指揮にも注目したい。

久石譲 in 武道館 

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [Blu-ray]

14曲目　ハトと少年

15曲目　君をのせて

16曲目　大樹

2008年に日本武道館で行われたコンサートの模様が収められたコンサートDVD。
天空の城ラピュタは160名のマーチングバンド（4つの中高学校による編成）と混声合唱団（栗友会合唱団と一般公募合唱隊）、東京少年少女合唱隊によって演奏された。
『ハトと少年』を演奏しながら、アリーナ後方より通路を練り歩き、やがてアリーナ全体がマーチングバンドのメンバーの音楽によって包まれていく。
『ハトと少年』の演奏が終わり、一瞬の静寂と期待の中、児童合唱により『君をのせて』が歌われる。その歌声はやがて混声合唱団と一般公募の合唱隊、さらにマーチングバンドによって一気に拡張し、武道館全体を一気に包み込んでいく。
そして『大樹』（サウンドトラック『天空の城ラピュタ』）を演奏しながらマーチングバンドは客席後方へと移動していく。マーチ風にアレンジされながらも、原曲のもつ幻想感を保っているのは編曲の妙である。

楽譜について

 久石譲の楽譜は数多く出版されていますが、ピアノの楽譜で久石譲公認印が入ったオリジナルエディションは、全音楽譜出版社からのみ出版されています。

また、その他出版社からも優れたピアノソロアレンジされた楽譜が出版されています。

オリジナル・エディションについて詳しくはこちら 

joelover.hateblo.jp

全音楽譜出版社

Piano Stories　（Innocent　収録）

久石譲 ピアノストーリーズ オリジナルエディション

Ghibli Best Stories　（Confessions in the Moonlight　収録）

久石譲 ジブリ・ベスト ストーリーズ〈オリジナル・エディション〉