【ジブリファン必見】久石譲を語り尽くすブログ

久石ファンの主がジブリ音楽の魅力を紹介したいブログ

ジブリ長編映画作品別音楽解説 紅の豚

1992年公開 宮﨑駿監督作品

 

作品概要

カッコイイとは、
こういうことさ。

1920年代、アドリア海。それはけっして「古き良き時代」などではなく、
食い詰めた飛行機乗りは空賊となって暴れ回り、
彼らを相手に賞金稼ぎは功を競った。
その中に、賞金稼ぎとして最も名を上げていた一匹の豚、
ポルコ・ロッソ=紅の豚がいた。
ポルコをとりまく女性たち、空賊との戦い、宿命のライバル、
そして全編を彩る空を飛ぶロマン。
―そして、善人も悪党も、みな人生を楽しんでいる―
宮崎駿が愛する大空を舞台に描く、一大航空活劇!

ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン作品紹介より

 

アルバムリスト


徳間ジャパンのSTUDIO GHIBLI RECORDSより現在発売されている関連アルバムリストです

 

 

イメージアルバム

紅の豚 イメージアルバム

紅の豚 イメージアルバム

紅の豚 イメージアルバム

 

 

サウンドトラック

紅の豚 サウンドトラック

紅の豚

紅の豚

 

 

イメージアルバムとサウンドトラックの違いはこちら

joelover.hateblo.jp

 

ソロアルバム収録バージョンについて

サウンドトラックと違い、劇中の尺にとらわれずに、その曲がもつ音楽本来の魅力が最大限引き出されているのがソロアルバム収録バージョンの大きな魅力です。
サウンドトラックでは尺の都合で泣く泣くカットされたフレーズやバラバラに分割された曲も、1つの楽曲として完成された形で聴くことができます。
ソロアルバムのコンセプトにより、オーケストラであったりピアノソロであったり、室内楽アンサンブルであったり、あるいは洋楽ポップス風であったり、その演奏形態はさまざまですが、久石さんのインスピレーションによって制作された楽曲本来の魅力を存分に味わうことができます。

 

以下豚の音楽が収録されているソロアルバムです

 

ソロアルバム

My Lost City
My Lost City

My Lost City

 

 8曲目 Madness

『狂気〜飛翔〜』の原曲である。
詳しくは下記参照。

joelover.hateblo.jp

サウンドトラックでは短いイントロが挿入されているが原曲にはない。

 

Symphonic Best Selection 
Symphonic Best Selection(CCCD)

Symphonic Best Selection(CCCD)

 

 8曲目 Cape Hotel 〜 Madness

『狂気〜飛翔 (原曲 Madness)』のオーケストラバージョン。
管弦楽新日本フィルハーモニー交響楽団。指揮は金洪才。コンサートマスターは豊嶋泰嗣。
アルバム「My Lost City」に基づいたプログラムで、アルバム同様『Cape Hotel』からメドレー形式で演奏される。
原曲では弦楽アンサンブルとシンセサイザーの編成をフルオーケストラにした初のアレンジ。
その後コンサートでアンコールの定番曲となるが、その元となる貴重な演奏である。


Melody Blvd. 
MELODY Blvd

MELODY Blvd

 

 2曲目 Rosso Adriatico

『帰らざる日々』のポップスアレンジ。サックスをフィーチャーしたインストゥルメンタル曲。
アルバム全体を通して感じられる爽やかな夏の風に乗った伴奏とメロディーを、このアルバム内唯一のインスト楽曲で強烈に印象付けている。
サントラ内ではジャズ風アレンジが印象的だったが、洋楽風8ビートに乗せてサックスによって奏でられるそのメロディーは、映画の枠を超えて古くから愛されているスタンダードナンバーの如く耳に馴染みが良い。

 

Piano Stories III ~Nostalgia~ 
Nostalgia?PIANO STORIES III

Nostalgia?PIANO STORIES III

 

4曲目 il porco rosso

『帰らざる日々』のアレンジ。
前半は『マルコとジーナのテーマ』(イメージアルバム)に見受けられるスイングを抑えたスタンダードな映画音楽としてピアノとストリングスで美しいメロディが演奏される。
短い中間部による転調(イ長調変ロ長調)を経て後半は劇中の『帰らざる日々』をさらに拡張させサックスをフィーチャーしたジャズカルテット+ストリングス風アレンジとなっている。
楽曲の持つ二面性をまさに裏表の形で同時に見せる為のブリッジとなる中間部はこのアレンジでしか聴くことが出来ない。


WORKS I
Works I

Works I

 

 6曲目 Madness

『狂気〜飛翔 (原曲 Madness)』のフルオーケストラアレンジ。
演奏はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団久石譲によるピアノ。
既にコンサートの定番曲でもあったMadnessのオーケストラバージョン。
パーカッションなどが「Symphonic Best Selection」版よりも増えており、オーケストラのサウンドにメリハリと奥行きが増してきている。
もちろん世界トップレベルの演奏技術とそれによって奏でられる圧倒的ボリュームを持った音楽があることは言うまでもない。


WORKS II
WORKSII Orchestra Nights

WORKSII Orchestra Nights

 

 11曲目 Madness

『狂気〜飛翔 (原曲 Madness)』のフルオーケストラアレンジ。
1998年のオーケストラコンサートのライブ録音版。
オーケストラの演奏の解釈もよりメリハリのついた劇的なものに変わってきている。
また、ライブ独特のテンポの揺れなど、その場限りの魅了的な演奏をあますところなく収録している。


Piano Stories Best’88-’08
Piano Stories Best’88-’08

Piano Stories Best’88-’08

 

 8曲目 il porco rosso

過去のPiano Storiesシリーズから久石譲のセレクトによるベスト盤。
「Piano Stories III ~Nostalgia~」と同内容のため解説を省略。


Ghibli Best Stories
ジブリ・ベストストーリーズ

ジブリ・ベストストーリーズ

 

7曲目 il porco rosso

久石譲の過去のソロアルバムからジブリ楽曲を抜粋したアルバム。
「Piano Stories III ~Nostalgia~」と同内容の為解説を省略。

 

The End of the World 
The End of the World

The End of the World

 

Disc2, 1曲目 紅の豚 il porco rosso

Disc2, 2曲目 紅の豚 Madness
それぞれ『帰らざる日々』『狂気〜飛翔 (原曲 Madness)』のピアノとオーケストラの為のアレンジ。
2015年に行われたコンサートのライブ盤。
演奏は新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ。コンサートマスターは豊嶋泰嗣。
イ長調で奏でられる「Piano Stories III ~Nostalgia~」とピアノソロから始まる「久石譲in武道館」を元にした1曲目『il porco rosso』。
イ長調のジャズ風ピアノソロから奏でられるグルーヴは、オーケストラ全体にも波及し、オーケストラ全体でまさにポップスオケという心地よいグルーヴ感を生み出している。WDOならではの演奏といえるだろう。
特徴的な経過部を経て『Madness』へとメドレーで演奏される。
以前のバージョンよりもさらにメリハリのついたオーケストレーションへと再アレンジが施されている。
久石譲自身の指揮による『Madness』がフルバージョンで収録された音源はこれが初となるが、細かいく進化したオーケストレーションへのこだわりとそれに応えるオーケストラのコンビネーションは、聴くものを圧倒する迫力を生み出している。
ちなみに久石譲がピアノを演奏している時には指揮者なしでオーケストラは演奏をしているのだが、細かい変拍子が続くこの曲を安定して演奏し続けるのは、WDOとしての長年の共演経験と高い技術力によるものであろう。

コンサートDVD,Blu-ray

久石譲 in 武道館 
久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]

久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~ [DVD]

 

  

17曲目 帰らざる日々

24曲目 Madness

2008年に日本武道館で行われたコンサートの模様が収められたコンサートDVD。
『帰らざる日々』はピアノと新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラの金管楽器隊、パーカッション、そしてサックスによる演奏。
ピアノソロから始まる『帰らざる日々』はまさに大人の為の音楽。紅の豚のキャッチコピー「カッコイイとはこういうことさ」を音楽で見事に表現している。
変ロ長調変ホ長調へと転調する印象的なブリッジを経て、満を持して金管楽器が入ってくる。トロンボーンによる風格あるソロと、それを支える金管アンサンブル。そしてパーカッションも加わり、楽曲は一層華やかさを増していく。
サックスとピアノも加わると、楽曲はひとつの盛り上がりの頂点を迎える。
主役がトロンボーンからサックスへと移るとアドリブによる楽曲一番の盛り上がりへと突き抜ける。それは飛行艇の飛行シーンにみられるスピード感を持ち、映画のシーンを映し出しているスクリーンとの親和性が非常に高い、まさに映画のための音楽でしか味わうことの出来ない楽曲の魅せ場がやってくる。
アドリブソロを金管アンサンブルが引き継ぎ楽曲はピアノソロで非常に余韻を持って締められる。その余韻まで音楽だと言わんばかりの楽曲構成は、音楽を入れないところも無音を作曲するのだという、映画音楽家久石譲による時間軸の構成であることは言うまでもない。

アンコールに演奏された『Madness』はショートバージョンながらも映画の飛行シーンを思い起こし、これ以上なく気持ちを高揚される。
後に「The End of the Word」に収録されるオーケストラバージョンが、200名のオーケストラによって奏でられる迫力と一体感は、新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラだからこそできる演奏であるのは言うまでもない。
ジルベスター・コンサートではおなじみの演奏後の紙テープ演出も映像としては今回が初収録。
数多くMadnessを演奏してきた久石譲によるコンサート演出の1つの集大成を見ることができる。

楽譜について

久石譲の楽譜は数多く出版されていますが、ピアノの楽譜で久石譲公認印が入ったオリジナルエディションは、全音楽譜出版社からのみ出版されています。

また、その他出版社からも優れたピアノソロアレンジされた楽譜が出版されています。 

  

オリジナル・エディションについて詳しくはこちら

joelover.hateblo.jp

全音楽譜出版社

Piano Stories Best’88-’08 (il porco rosso収録) 
久石譲 ピアノストーリーズベスト ’88-’08 <オリジナルエディション>

久石譲 ピアノストーリーズベスト ’88-’08 <オリジナルエディション>

 

 

Ghibli Best Stories (il porco rosso収録) 
久石譲 ジブリ・ベスト ストーリーズ〈オリジナル・エディション〉

久石譲 ジブリ・ベスト ストーリーズ〈オリジナル・エディション〉